あなたは職場で自分の強みを、まわりからきちんと認められていますか?
もし自分の考えている強みと、職場の人たちが認めているあなたの強みが違うなら、パーソナルブランディングを行うことで、その不一致を解くことができます。
パーソナルブランディングとは何でしようか?
日本ではセルフブランディングという言葉で、「怪しい」や「痛い」というイメージも出ています。
しかし、本来のパーソナルブランディングはアメリカやヨーロッパで、その分野のプロフェッショナルであると、社内や社外で認知してもらうことです。
会社で責任のある仕事を任せてもらう。
転職に有利になる。
自分の専門分野で権威ある人とつながれる。
などなど、キャリアアップでさまざまなメリットがあります。
ホワイトカラーワーカーにとって、どの分野のプロフェッショナルか正しく認知されることはキャリアアップにとって重要なステップです。
この記事では、本来のパーソナルブランディングとは何か?を紹介します。
パーソナルブランディングとは何か?
パーソナルブランディングとは、自分のプロフェッション(専門分野)を相手に認知してもらい、キャリアアップにつなげる方法です。
フォーブス誌でジョセフ・リュー(@josephpliu)はこう言っています。
パーソナルブランディングとは、自分のキャリアや人生において、自分が何者であり、何のために役立てるかを確立して、その強みをまわりにずっと伝える方法であると。
引用: 5 Ways To Build Your Personal Brand At Work
つまり、社内や社外の組織で、「自分はこの分野に強い専門家である(プロフェッショナルである)」と認知してもらって自分のキャリアアップにつなげる行動は、全てパーソナルブランディングなのです。
ネット上で情報発信して、多くのフォロワーを集め、この分野に詳しいと認知されるのも、パーソナルブランディングの成功例の一つではあります。
しかし、本来のパーソナルブランディングの定義とは、もっと幅広いのです。
たとえば自分がSNSマーケティングの仕事を会社で担当したいと考えて、上司や同僚に「自分はSNSマーケティングに強い」とアピールしていく行動は、パーソナルブランディングに値します。
会社の上司に、「彼はSNSマーケティングに強いから、今度この仕事を任せよう」と思ってもらえれば、パーソナルブランディングは成功したと言えるでしょう。
つまり、パーソナルブランディングとは、自分でキャリアアップのロードマップを敷き、自ら運転していく方法だと言えます。
パーソナルブランディングの最初のステップ
パーソナルブランディングを行う時に、一番最初にやるべきことは、自己分析と将来設計です。
- 自分のこれからやりたい仕事を検討する
- 自分の今までのスキルを点検する
- 数年間のキャリアの将来設計をする
重要なことですが、自分がこれからブランディングする時のパーソナルブランドは、他人が決めるものではありません。自分自身で決めるものです。
これから行うパーソナルブランディングは、「自分は何者であり、どんなスキルで役立てるかを会社内や社外で確立する方法」です。
プロダクトマネジメントに強いのか、アプリのUXデザインに秀でているのか、などなど。
今まで仕事をしてきた中の自分の強み、弱みを分析しながら、自分が将来的に築きたいキャリア設計を考えます。
そして専門分野(プロフェッショナル)を決めたら、相手から「この人はこの分野に強いから仕事を任せよう」と思われるように具体的なアクションを取りましょう。
Be LeaderlyのCEOであるジョー・ミラーは、「数年後にどこにいたいかを考え、その目標に到達するために必要なパーソナルブランドの構築に役立つ具体的な活動を考えること」を勧めています。
会社内でのパーソナルブランディングとは?
自分の掲げたいパーソナルブランドを決めたら、会社の内外でパーソナルブランディングを進めます。
最初の進め方で一番いいのは、会社内から始めることです。
社内で上司から「この分野に強い」と認められたほうが、社内で自分の掲げている得意分野の仕事を任せてもらいやすくなります。
社内でパーソナルブランドを始める前に必要なこと
ただ、会社でパーソナルブランドを始める前に大事なことがあります。
それは現在の自分が会社内でどのように認知をされているかを確認することです。
自分のこれから認知させたいパーソナルブランドと、現在の自分のパーソナルブランドが違っていたら、ブランディングを通じて一致させる必要があります。
自分の信頼できる同僚に相談して、「自分は現在の職場でどの分野に対して強い印象を持たれているのか?」
「現在の自分の専門分野に対しての職場で認知」を一度確認しておくと、どんなギャップをこれから埋めればいいか、参考になるでしょう。
たとえばデータ分析を日常業務でしているけれど、これから「SNSマーケティングにも強い自分」を職場でブランディングしたい場合、「データ分析が得意な印象」を持たれているでしょう。
この場合、自分がパーソナルブランディングしたい認知と少し離れているので、通常の日常業務をこなしながら、SNSマーケティングの仕事を徐々にたぐり寄せる必要があります。
しかし、大きな企業であればあるほど、他部門の仕事に手を挙げるのは、慎重に動かないといけません。仕事を取られるなどの反発を食らってしまう恐れがあるからです。
すでに会社で認知されてる自分の専門分野をベースにしながら、自分のブランドにしたい分野を関連付けて、会社内でブランディングしていく必要があります。
たとえば会議で発言する時は、社内で認知されている自分の専門のデータ分析を応用して、SNSマーケティングでも分析した質問をする必要があるでしょう。
会社内で認知されている自分の現在の専門分野に関連付けて、これからブランディングしたい分野の話をすれば説得力が出るので、他の人も耳を傾けてくれやすくなります。
会社内でパーソナルブランディングするためにできること
会社内でパーソナルブランディングをする時に社内の認知を変える方法は、時間とお金が低コストのものが多いです。
一番必要なのは、勇気かもしれません。
フォーブス誌で「職場でのパーソナルブランディングに必要な5つのこと」
- 関連する仕事に手を挙げる
- 会議で質問する
- 社内の会議や業界の集まりで講演者として登壇する
- 会社内で横のつながりを構築する
- 業界の第一人者(CEOや業界の権威者、インフルエンサーなど)とつながる
上記の5つの項目は大きなアクションも伴いますが、小さなステップでできるものもあります。
「関連する仕事に手を挙げる」では、自分の将来のキャリアにつなげられる仕事があれば、「やりたいです」と積極的に主張して、自分の意思を表明する必要があります。
「社内でのSNS利用ガイドライン」の作成・発表するなどのプロジェクトがあったら、立候補してみるのもいいでしょう。
地味な方法ですが、「この人はこういう仕事に積極的な意思を見せている」とわかってもらう最適な方法の一つです。
「会議で質問する」も小さなアクションでできるでしょう。
たとえば自分がSNSマーケティングを専門にしたいのなら、それに関連することを会議で質問に投げかけるのもいいと思います。
「社内の会議や業界の集まりで講演者として登壇する」のも有効です。
業界の集まりで講演者として数十分も登壇するのはハードルが高いかもしれませんが、中には5分間のLT(ライトニングトーク)をするイベントあります。
そこで「〇〇株式会社でSNS運用でうまくいった3つの施策」などを発表すれば、社外の人からも「あの人はあの会社でSNS運用を担当している人なんだ」と印象付けることが可能です。
人前で話すのは準備が大変ですが、自分がキャリアにつなげたい専門家であると社内や社外から認知される大きなチャンスなので、パーソナルブランディングに活用してみてください。
TEDxのスピーカーを務めたこともある著者のジェフ バトラーも、「ステージに立つ人は、権威やリーダーとして見られている」と説明しています。
「会社内で横のつながりを構築する」も大事な動きです。
Blueboard.comのマーケティング責任者であるモーガン・チェイニー氏は、「人は、自分が知り合いであり、信頼している人、そして自分の直属の職務を超えて活躍していると思われる人を宣伝する」と述べています。
自分の強みを職場の上司や同僚だけにアピールするのではなく、横のつながりを築くことで、その人たちが自分の話を広めてくれます。
「業界の第一人者(CEOや業界の権威者、インフルエンサーなど)とつながる」ことも、自分のパーソナルブランディングにいい印象を与えてくれるでしょう。
たとえば業界の第一人者であるトップのセミナーに参加して、懇親会で仲良くなり、SNSのフェイスブックでつながったとします。
社内の人にその人のセミナーの話をしたり、自分が業界の第一人者とつながっていることがフェイスブックでわかれば、間接的に自分がその分野に詳しいことを印象づけることが可能です。
このように会議で質問する小さなアクションから、業界の集まりで登壇することまで、積極的に行動することで、徐々に自分のブランドを相手に印象づけることができます。
会社外でのパーソナルブランディングとは
また現在は、会社外のパーソナルブランディングの方法も無数にあります。
会社外のパーソナルブランディングと聞くとハードルが高いかもしれませんが、こちらも小さいものから大きなアクションまでさまざまです。
- 匿名のアカウントを作り、SNSで情報収集・つながりを作る
- 関連分野のセミナーに参加する(質問したり、LTや講演側にまわると更にいい)
- 自分のSNSを作り、専門分野について発信する
たとえば、「自分の仕事の専門分野にしたいことを、SNSでアカウントを作り、情報収集やつながりを作る」ことも有効です。
実名でなくていいので、ニックネームや匿名にして、業界の関連するアカウントをフォローします。そのアカウントを使って交流していくことで、業界のトレンドや情報を理解できます。
また休日を使って、「関連分野のセミナーに参加する」ことも、自分の専門分野を深く勉強でき、業界のトップの人と繋がれるチャンスです。
たとえばSEOやウェブサイトを専門にしたい人なら、ウェブサイトを作るときに使われるWordPressが、世界中でWordCampというイベントを開いています。
ここに参加することで国内のWordPress関係者とつながり、更に海外からも来てるので、世界中に人脈ができることでしょう。
セミナーや講演会などのイベントに参加すると、社外の人とつながれるので、自分のブランディングに大きないい影響があります。
最後に「自分のSNSやブログ、YouTubeを作り、専門分野について発信する」なども、社内や社外でのブランディングで有効です。
自ら情報を発信することで最新の情報が集まりやすくなったり、業界のトップに何をやっている人かをわかってもらえ、もっと印象深くなります。
SNSやブログでの発信はハードルが高いかもしれません。
しかし慣れた時に始めてみると、パーソナルブランディングに大きな効果があるのでオススメです。
最後に
ここまでパーソナルブランディングとは何か?を述べてきました。
セルフブランディングと聞くと、自分の中にある強みを大きく見せようとする行為に聞こえたりしますが、本来のパーソナルブランディングは違います。
自分の持っている強みや身に付けようとしてる専門分野を、周囲の人に「あの人の強みはこれだ」と覚えてもらい、自分のキャリアアップにつなげることです。
そしてパーソナルブランディングは、社内でできるものから社外で行えるものまで無数になりますが、最初は自己分析しながら小さな一歩を踏み出せることです。
この記事がパーソナルブランディングの参考になれば幸いです。