「会社員がSNSを使ってパーソナルブランディングしたい。でもどうすれば?」
と最初の一歩をどうやって踏み出せばいいのか、悩んでいませんか?
この記事では、会社員がベイビーステップでSNSのパーソナルブランディング方法の具体例を紹介しています。
ストーリー仕立て、会話形式で紹介しているので、参考になれば嬉しいです。
第1話は、「ある32才の会社員が新しい上司に認めてもらえず、先輩から勧められて仕事用のSNSのアカウントを作るところ」から始まりました。
さて、今回はSNSで見つけたセミナー参加編です。
パーソナルブランディングをするキャラクター紹介と前回のあらすじ
【登場人物】
村西ヤスシ(通称 ムラヤス) 32歳 男性 大学卒
東証一部上場企業のNOSYで課長補佐 品川勤務
転職してきたコンサル出身の新上司の佐々木さんと、仲がうまくいっていない。後輩に抜かされそうだと焦ってる。
特に佐々木さんに提案したAIやビッグデータを反対されて、ふてくされてた。しかし元上司の本橋さんの勧めでパーソナルブランディングを決意。
本橋ヒロノブ(通称 先輩) 35歳 男性 大学卒
NOSYでムラヤスの上司をやっていたが、1年前に独立。
会社員時代からパーソナルブランディングを実行しており、Twitterのフォロワーは1万人越えしている。
自分の抜けた会社で悩む後輩にパーソナルブランディングを勧めた。
【前回のあらすじ】
新しくやってきた上司の佐々木さんとソリの合わなくなったムラヤス。
特に自分が佐々木さんに提案した、「AIやビッグデータを使ったデジタルマーケティング」ははっきり否定される始末です。
しかしプライベートで会っていた元上司の本橋さんに、「お前がたいして詳しくもないのに、流行りのトレンドワードに乗ろうとしたからだろ」と言われ、自分の甘さに気づきました。
そこで先輩に、「パーソナルブランディングをやってみたらどうだ。AIやビッグデータに詳しい人だと印象付けるんだよ」と言われて、おそるおそるやり始めます。
最初のステップは、仕事用のTwitterアカウントを作り、ニュースやインフルエンサーをフォローしてみました。
【前回の記事】
初心者がベビーステップでSNSでパーソナルブランディングをする方法【ストーリーで紹介01】
ある日セミナーのアカウントを見つける
ムラヤス:アカウントを作ってから2週間くらい経ったけど、けっこう見慣れてきたな。通勤時間や仕事の休憩時間についつい開いちゃうし。前はスマホゲームやってたからいい傾向だぞ、これは。
会社終わりの山手線に揺られながら、Twitterを開いたムラヤス。
彼は最近の自分の変化にひそかに満足していました。
ムラヤス:前からニュースはYahoo!ニュースを読んでたけど、ニュースの下にあるヤフーコメント。あれ素人がコメントしてるだけだもんな。前はついつい読んでたけど、Twitterで専門家をフォローしたほうが全然いいや。
ムラヤス:Twitterで専門家をフォローした場合、ニュースと一緒にその人の詳しい視点のコメントがツイートされてる。そっちのほうが素人の意見読むより100倍詳しいや。
ムラヤス:そう考えるとけっこう時間無駄にしてきたな。もっとTwitter見なきゃ。
そう思いながらTwitterを眺めていると、ひとつのツイートが目に止まりました。
ムラヤス:あれ、この人、SNSマーケティングの合同セミナーを開くんだ?SNSをマーケティングに活用している会社の人も登壇して、その成果を発表だって。面白そうだな……。ちょっと一人で行くのは気後するけど、やってみようか。
よくも悪くも、「行動力だけはある」と言われるムラヤスです。
彼はその場でツイートからセミナー参加の申し込みページに飛び、必要事項を記入していました。
ムラヤス:セミナーが3時間で、その後に懇親会が1時間あるのか。セミナーだけだと4,000円で、懇親会は1,500円か。両方合わせると5,500円だけど、まあ飲み会出るよりは有意義だろうな。
そう思いながら彼はついにセミナーを申し込みました。
【ポイント】
・Twitterで仕事専用のアカウントを作り、特定の分野の人をフォローすると、ニュースアプリと似た機能を持たせられる
・Twitterのいいところは個人がニュースを独自視点で解説してる。勉強にもなるし、親近感も湧きやすい
・Twitterではセミナーなどの告知もやっていて、直接交流できるチャンスもあるので、チェックするといい
セミナーに参加してみる
セミナーを申し込んだ日から2週間後の土曜日の午後。ムラヤスは東京駅近くの古いビルの前に立っていました。
「ここの3階がセミナー会場か……。行くぞ」
「この会場、実はコワーキングスペースなのか。セミナーってこんなところで開かれるんだな」
〜コワーキングスペース3Fのセミナー会場〜
女性:「名前をお願いします。予約されたサイトでのQRコードをお持ちですか?そちらを提示していただければ、そちらでも大丈夫です」
ムラヤス:「ちょっと待ってください。たしかQRコードあります」
女性:「ありがとうございます!こちらは自己紹介用の名札です。名刺などを入れて使ってください」
女性:「ホワイトボードや壁の紙に書かれてるのが会場内のフリーWi-Fiです。自分のパソコンでメモ取ったり、スマホを使うときにつなげてください」
女性:「また今回のセミナー専用のハッシュタグもあります。『#アイプロ2020』なので、Twitterで感想をつぶやく時に使ってくださいね」
ムラヤス:「ありがとうございます!」
ムラヤス:「セミナー会場ってこういう仕組みになってるんだ。Twitterのハッシュタグで感想を述べるなんて新鮮だな。でもオレのTwitter、普段は見る専用だからハッシュタグはつぶやかないけどね」
ムラヤス:「あ、セミナーが始まった!」
〜セミナー中〜
ムラヤス:「セミナーだけだと思ってたけど、トークセッションなんてあるんだ。インフルエンサーの宝田さんだけではなく、それぞれの企業でビッグデータ活用して、いろいろやってんだな」
ムラヤス:「あれ、LT(ライトニングトーク)なんてのもあるんだ。5人が5分間で発表し合ってる。セミナーって有名人じゃないとできないイメージあったけど、普通に個人でも登壇できるんだな」
ムラヤス:「ハッシュタグでも見てるけど、すごい速さでまとめツイートが出るし、感想も色々ある。面白いな」
〜セミナー終了後〜
ムラヤス:「今日は直接宝田さんの見れたから満足。あとLT(ライトニングトーク)に出てたテキストマイニングで、ネットのSNSユーザーの反応を分析するって手法は面白いな」
ムラヤス:「ビッグデータ解析って種類がたくさんあるけど、オレに合ってるのはテキストマイニングな気がする。本読むの好きだし、これを専門的にやってみよう」
ムラヤス:「この後は懇親会だし、発表した人に話しかけてみようかな」
【ポイント】
・セミナーはTwitterのハッシュタグを活用している場所が多い
・ハッシュタグを活用してるセミナーはTwitterでリアルタイムで発信されてるので、セミナーを見ながら追いかけると交流がより深まる
・セミナーにはLT(ライトニングトーク)という1人5分間で発表できるイベントがある
・LT参加は申し込み時に希望を出す必要があり、抽選が多い。しかし一般人でも参加できるいいチャンス
懇親会に参加してみたけれど
ムラヤス:「……つ、つまらない。懇親会って会食と交流会なんだ。でも誰も知り合いがいないからすぐ帰りたいぞ」
知らない男の人:「こんにちはー!このセミナーは初めてですか?」
ムラヤス:「あ、はい!こういうところは初めてで、若干ドキドキしてます」
知らない男の人:「そうなんですね。ぼくはこのセミナーは常連なんですけど、見かけない新しい方が来たと思いまして。普段は何やってる方なんですか?」
ムラヤス:「えっと、会社で、デ、デジタルマーケティングやってます。仕事の参考になるかと思ってきました」
知らない男の人(黒沢):「そうなんですね。ようこそ!私は黒沢と言います」
黒沢:「このマーケティングのプロを集めて開いてるアイプロの主催メンバーの一人です。いま名刺出しますね」
ムラヤス:「あ、ありがとうございます!これアイプロ用の名刺なんですね。ぼくも名刺を渡したいんですけど……、あ、すみません!会社の名刺を忘れてきてしまいました」
黒沢:「アハハ、全然大丈夫ですよ。Twitterやってますか?あとLinkedinやFacebookもあれば、そちらを交換しましょう」
ムラヤス:「(Linkedinってなんだろう?)」
ムラヤス:「その……Linkedinは持っていなくて、Facebookも10年くらい更新してないんですよ。最近作ったTwitterアカウントならあるんですが、それでもいいですか……?」
黒沢:「大丈夫ですよ!アカウント名教えてください。ぼくはこれです」
ムラヤス:「すごいですね。アカウントの写真、プロに撮ってもらったんですか?キリン好きって書いてあるし」
黒沢:「写真は知り合いのブロガーの人がカメラ好きなので、お願いして撮ってもらいました。キリン好きもマーケティングだけだと堅苦しいので、なごむように入れてます(笑)」
ムラヤス:「な、なるほど。ぼくのはこれです。あ、でも最近作ったんでプロフィール埋めてないんですよね……。アイコン写真もないし。帰ったら埋める予定です」
黒沢:「なるほど、また埋めたら教えてください。私は毎日ツイートしてるんで、ネットでも交流しましょう」
ムラヤス:「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします」
黒沢:「じゃあ私はこれで。あ、宝田さーん」
ムラヤス:「あー、恥かいちゃったよ……。見る専用のTwitterだと考えてたのに、まさか交換するとは思わなかった。会社の名刺も忘れてきちゃったし。」
ムラヤス:「外の交流の場所って実績やSNSなどがないと、まったく話の話題作りできないんだな。このままだとインフルエンサーの宝田さんに声かけても印象に残らなそうだ。今日は話しかけるのやめようかな」
〜30分後〜
ムラヤス:「やっぱり帰ろう。3人ほど話しかけたけど、全然話が弾まなかった。SNSのプロフくらい埋めなきゃダメだな。宝田さんにも挨拶しかできなかったし……」
ムラヤス:「テキストマイニングをやってたLT参加者の人に話しかけたら、ブログやってるのを教えてもらったから、帰ってそれでも見よう。質問できてよかったけど、本当に準備不足で恥かいちゃったよ」
【ポイント】
・パーソナルブランディングするなら、それ専用の名刺も持っておいたほうがいい(デジタル名刺もあり)
・セミナーではTwitterアカウントを活用することもあるので、プロフィールは埋めておくと話のきっかけになりやすい
・セミナーでは情報量が多いほど、話すきっかけを作りやすい(登壇者>LT発表者>普段ネットで発信してる人>Twitterのプロフや名刺を持っている人など)
プロフィールを充実させたい、発信したいと思いだす
ムラヤス:「やっぱりSNSでパーソナルブランディングやるなら、プロフィール埋めたほうがいいんだろうな。そういえば本橋先輩はどうやってるんだろ?連絡取ってみよう」
本橋先輩:「お、どうした?パーソナルブランディングは充実してるか?」
ムラヤス:「先輩に勧められてやり始めたのはいいんですけど、今日セミナーに出て、こういう理由で大恥かいたんですよ」
本橋先輩:「あれからセミナーに参加したのは行動早じゃないか。でも何もプロフィール埋めていかないのは準備不足だな(笑)」
ムラヤス:「笑わないでくださいよ!久々に恥かきました。あれは大学の新入生歓迎会で人見知り発揮して、全然友達できなかった以来です」
本橋先輩:「そりゃ10年ぶり以上だな(笑)これを反省して、ムラヤスもそろそろプロフィール埋めたらどうだ?」
ムラヤス:「埋めたいんですけど、Twitterのプロフィールってどうやって埋めたらいいんですか?」
本橋先輩:「これはTwitterだけではなく、SNS全般のプロフィールに言えることだけど、こんな感じだな」
本橋先輩:「名前の欄は自分の名前(もしくはニックネーム)を入れて、その後に肩書きや専門分野にしたいことを入れるといい」
ムラヤス:「ぼくだったら、ムラヤス@NOSYマーケティング部門担当とかですか?」
本橋先輩:「何やってんだ(笑)パーソナルブランディングアカウントなんだから、会社の名前は大きく書かなくていいんだ。パーソナルブランディングの専門分野をわかるように書いてみろ。「ムラヤス@デジタルマーケティング勉強中」とか、もう少し掘り下げてSNSマーケティング担当」とかな」
ムラヤス:「肩書きにはどういう効果があるんですか?」
本橋先輩:「相手への自己紹介だよ。名前の欄は太字で表示されるし、同じ興味を持った人とつながりやすくなる。現代人は忙しいから、ワンクリックの手間すら惜しくなるんだ。だから名前の欄に肩書を入れてあげると親切になる」
ムラヤス:「そうなんですね。プロフィール欄はどう埋めればいいんですか?」
本橋先輩:「基本的には『アカウントのテーマ』、『発信者の経歴』、『フォローするメリット』、『人間味を出すための個人の好みや趣味』だな」
ムラヤス:「ぼくのアカウントのテーマはどうですかね?」
本橋先輩:「AIやビッグデータに興味持って勉強中とか、あともう少し詳しくてもいいな」
ムラヤス:「そういえばこの前テキストマイニングを使ったマーケティング例に興味持ったので、それを勉強してみようと思ってます」
本橋先輩:「いいじゃないか。それをプロフィールに盛り込むと、同じ興味持った人とつながりやすい。あとはプロフィール欄ならNOSYでデジタルマーケティング部門で働いてるのを書いてもいい」
ムラヤス:「プロフィール欄ならいいんですか?」
本橋先輩:「ムラヤスのパーソナルブランディングしたいビッグデータを使ったマーケティングと、会社でやってるデジタルマーケティングは一致するから大丈夫だ。
本橋先輩:「これが旅行や料理などの趣味アカウントなら会社の肩書きは関係ないから、相手を混乱させることになる」
ムラヤス:「では『人間味を出すための個人の好みや趣味』って何ですか?」
本橋先輩:「仕事関連のアカウントだとテーマが硬くなりがちだ。それに自分の名前や顔写真をつけるから、さらに硬いイメージがつきやすいんだよ。そこに「週1回はラーメン二郎食べてます」とかつけると、ちょっとイメージが柔らかくなるだろ」
ムラヤス:「急にその人の食生活のイメージが柔らかくなりますね(笑)今日会った人も、「マーケティング情報発信してるけど、キリン好き」って書いてありました」
本橋先輩:「そうそう。あくまでも人間が発信してるんだから、硬くなりすぎるのは良くないんだよ。80〜90%はブランディングしたい分野のツイートをして、10〜20%は個人の趣味を流すと、意外と親近感持たれる」
本橋先輩:「そうだ。ムラヤスもそろそろ自分のツイートしたらどうだ?そっちのほうがセミナーとかでコミュニケーション取りやすいぞ」
ムラヤス:「……やっぱりツイートしたほうがいいですか?」
本橋先輩:「無理にとは言わないけど、情報発信してるほうが誰かとつながりやすいからな。最初は自分の勉強成果とかニュースにコメントつけてやってみたらどうだ?」
ムラヤス:「……そうですね。今日みたいな恥ずかしい思いはもうしたくないし、それもありかもです」
【ポイント】
・Twitterのプロフィール欄は名前と肩書き(ブランディングしたいテーマ)を入れるといい
・現代人は忙しいので、なるべくワンクリックの手間を省いて、自分の自己紹介を簡潔に伝える
・ツイートの内容は『アカウントのテーマ』、『発信者の経歴』、『フォローするメリット』、『人間味を出すための個人の好みや趣味』など
・『アカウントのテーマ』は自分の発信する内容を入れて、フォローするメリットを強調する
・『発信者の経歴』は権威づけのために入れてもいい。フォローするメリットの強調にもなる。
・『人間味を出すための個人の好みや趣味』は、仕事関連の内容で硬くなるアカウントのイメージを軽減する効果がある。なくてもいいが、あると人として興味を持ってもらいやすくなる
次回の予告
SNSのプロフィール欄を充実させていたムラヤス。次第に発信にも慣れて、認知が高まって行きます。
パーソナルブランディングの専門分野にも詳しくなったところで、会社でそれを使う機会が訪れます。
次回「パーソナルブランディング指南 Part.3 SNS発信編」